新潮社から発売されている月刊誌
『新潮45』が休刊(限りなく廃刊に近い)する事が
25日に発行元の新潮社から発表されました。
新潮社が月刊誌「新潮45」の休刊を決めました。LGBTをめぐる寄稿や企画が批判を受けていました。
https://t.co/P38VSEDIa4 pic.twitter.com/VSVYQLpTpI— 朝日新聞(asahi shimbun) (@asahi) September 25, 2018
25日夜に報道陣の取材に応じた新潮社の伊藤幸人・広報担当役員は、「限りなく廃刊に近い休刊。部数低迷で編集上の無理が生じ、十分な原稿チェックができなかった」と述べた。一方、「(自民党・杉田水脈(みお)衆院議員の寄稿を掲載した)8月号だけでは休刊の決定はしていない。10月号に問題があると考えている」とした。
伊藤氏によると、編集部は編集長を含めて6人。18日発売の10月号は前日に刷り上がり、役員らへの配布は発売日の朝だったという。「18日の時点で声明を出す必要があると社長が決断した。社内外で動揺が走っており、結論は出ていなかったが声明を出した」
一方、社長声明にあった「あまりに常識を逸脱した偏見と認識不足に満ちた表現」が具体的にどの寄稿を指すかについて、伊藤氏は最後まで明言しなかった。10月号に掲載された寄稿の中には、LGBTを「ふざけた概念」とし、犯罪である痴漢行為とLGBTの生きづらさを重ねる内容もあった。
新潮45は月刊「文芸春秋」のような総合雑誌をうたい、1982年に前身の雑誌が創刊された。週刊新潮や写真週刊誌「FOCUS」(2001年休刊)と並び、文芸で知られる同社の中で「社会派」の一翼を担ってきた。事件報道を重視したノンフィクション路線だったころもあったが、現在の若杉良作編集長が就任した16年9月号から、右派系雑誌常連の論客が目立つように。近年はネットでの過激な発言で注目を浴びる論者を次々と紹介するようになっていた。
出典 朝日新聞デジタル
予想を超えた批判
新潮社の発表を字面だけみると
正直「なぜ休刊するのか?」の理由が
いまいち良くわかりませんが
突き詰めると8月号で
自民党の杉田水脈議員の「LGBTへの差別的表現」に対して
”擁護するかのような内容の企画を行ったこと”に
予想を超えた批判が殺到し、さらに批判の輪が広がることで
『新潮45』の出版を維持することが難しくなったと
判断したんでしょう。
要は世間の声を読み違えたんでしょうね。
「なめていた」ってところでしょうか。
『新潮45』はどんな雑誌
ところで『新潮45』とはどんな雑誌だったんでしょう。
「新潮45」は1982年3月に新潮社が創刊した月刊誌。創刊当初の雑誌名は「新潮45+」でした。
「45」という数字は、想定読者を45歳前後の中高年層をターゲットにしていることを示しています。
創刊3年となる1985年、現在の「新潮45」に改名。ノンフィクションやエッセーを軸に「保守」の論調とり、誌上には、その時代に活躍する論壇人が登場しました。
歴代編集長には亀井龍夫氏、早川清氏、中瀬ゆかり氏など、新潮社の名物編集者が名を連ねています。その時々の編集長の方針によっては、事件報道や芸能ネタにも力を入れました。
中瀬氏によると、「45」には「斜め45度からものを見る」という説もあるそうです。
編集方針は
編集方針は?編集方針について、新潮社公式サイトではこう説明しています。
《その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました》
《しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。それは『人の生き死に』について考えるということです》
(新潮社サイト「新潮45とは」より)中高年向けの雑誌という特徴から、高齢化社会を念頭に「死」の問題を考えるエッセイ集なども刊行しています。
宇野千代、森繁久彌、谷川俊太郎、石原慎太郎ら各界の著名人が死生観を綴った『死ぬための生き方』はベストセラーになりました。
執筆陣の幅広さも魅力でした。過去にはビートたけし(北野武)さんもエッセーを連載。これをまとめた単行本『だから私は嫌われる』も好評を博しました。
出典 YAHOO JAPAN ニュース
中高年層を中心に2008年には
4万部を売り上げていたといいますから
人気雑誌であったんですね。
発行部数の低迷が・・・
「新潮45」の発行部数は2008年中は4万部を維持しましたが、出版不況も相まり以降は徐々に部数が低下。2012年1月~3月には3万部を下回りました。
この間には朝日新聞社の「論座」や講談社の「月刊現代」、産経新聞社の「諸君!」など、いくつものライバル誌が休刊しています。
若杉氏が編集長に就任した当時、「新潮45」の発行部数は2万567部(2016年7月~9月)でした。ところが、就任後には1万9867部(2016年10月~12月)に。ついに2万部を下回りました。
その後も部数の回復傾向は見られず、直近の発行部数は1万6800部(2018年4月~6月)となっています。
出典 YAHOO! JAPAN ニュース
このうな発行部数の低迷が“焦り”を生み
その”焦り”がチェック機構の甘さを生み
「暴走企画」を生み出していったのではないかと
推察されます。
まさに「部数の切れ目は縁の切れ目」ですね。
まとめ
今回の『新潮45』の問題は
人権にかかわる問題だけに
さらなる議論が戦わせるされる事と予想されます。
出版、メディアなど言論に密接な機関はもちろん
一般人である私たちもオフィシャルな場面での発言には
深い見識と客観性を持ち合わせたうえで
発信していかなくてはならないですね。
「己を知り。相手を知る」というところでしょうか。
長い間この文章を読んで頂いてありがとうございました。